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WTTカップファイナルズ シンガポール 女子準決勝 孫穎莎 vs 早田ひな 簡単解説

WTTカップファイナルズ シンガポール 女子準決勝 孫穎莎 vs 早田ひなの試合を解説したいと思います。

この試合の個人的な見どころは両選手のフォアハンド強打のやりあいです。

早田選手が左利きで孫頴莎選手が右利きのため、どちらかがフォアハンドをクロスに打てば片方はバックハンドを使用する事になります。そのような展開になると基本的にはフォアハンドを使用している側が決める展開が多くなっていました。早田選手は全く引けをとらない、むしろ威力だけで言うと勝ってるのではないかと思う程強烈なフォアハンドを繰り出します。上記の点を踏まえてみると面白いと思います。

1ゲーム目

点数は先に早田、後が孫穎莎です。

早田からのサービスで試合開始。初めの2本はミドルにハーフロング( 2バウンド目が台から出るかでないかくらいのサービス)の巻き込み横回転系サービス(孫穎莎側からみるとバックサイドに曲がってくる)を出します。ハーフロングサービスは厳しくストップやチキータがやりづらいというメリットがありますが、台から出るため先手を取られる可能性もあります。

サービス2本目は孫穎莎がバックハンドで返球してきたボールを早田がフォアハンドでカウンター。早田の巻き込みサービスは孫穎莎側からみると左に曲がってくるため、バックハンドで処理する際には早田のフォアサイド側にボールが集まりやすくなりますので、孫穎莎のバックハンド対早田のフォアハンドの展開になりやすく、早田にとっては有利です。

一方孫穎莎は早田のミドルとフォアサイドに短めとハーフロングの純横回転系サービス(早田側からみると左側に曲がっていくサービス)を出します。 純横回転サービスを出すと孫穎莎のバックサイドにボールが集まりやすくなりますので、回り込んでフォアハンドを使用する展開が多くなります。孫穎莎はバックサイドにきたボールを2本とも3球目攻撃(サービスを出して相手がレシーブしてきたボールを攻撃する戦法)をしかけますが、打ちミスをします。

■3-1

早田のハーフロングのサービスに対してストップ(台上で2バウンドするように返球)で対応してきて、台から出るかでないかくらいだったため、早田が迷って打ちミスします。ストップされたという事もあり3-2になった後は台から出るサービスを出して、孫穎莎が少しバックハンドで引っ掛けてきたボールをフォアハンドでしっかり打ち込み4-2でリードを維持します。

■6-3

早田の長めの逆横回転サービスに対して孫穎莎は初めてバックサイドへツッツキで対応します。早田はツッツキに対してバックサイドへ3球目攻撃をしかけます。

ポイントとしては早田は孫穎莎のバックサイドにボールを集めて、しっかりフォアハンドを使って戦うスタイルで挑んでいます。

■9-5

孫穎莎サービスで早田はミドルを攻められますが、強烈なフォアハンドドライブで10-5にして、このままの勢いでこのゲームを取ります。

2ゲーム目

孫穎莎サービスで開始。早田は孫穎莎のサービスに対してフォア側にレシーブしますが、孫頴莎の強烈なフォアハンドによる攻撃を受けます。

■0-2

早田のミドルへのハーフロングサービスに対してこれまではあまり強打していませんでしたが、強めのバックハンドドライブをフォア側に打ち込む事で、早田の強烈なフォアハンドをけん制します。

■0-3

ミドルのハーフロングサービスを打たれたためか、サービスのコースをフォア前に変更します。早田はバックハンドで3球目攻撃を決めます。

■1-3

孫頴莎が早田のバックサイドに意表を突くロングサービスを出しますが、レットになります。ここから4本連続レットと珍しい事が起こりますが、早田が強烈な台上バックハンドドライブで点を取ります。

ロングサービスをバック側に出されていたにも関わらずミドルにきたボールをしっかりとバックハンドで強打できるのはすごいです。

■3-3

早田はミドルの処理をフォアハンドでするため、フォアサイドが空きます。孫頴莎はそこをフォアハンドで狙って3-4となります。次は早田のバックサイドを攻めて孫頴莎が点を追加して3-5とします。

■3-5

孫頴莎が早田のバックサイドへロングサービスを出して決めます。2本目のサービスに対して早田がフォア前にレシーブをしますが、孫穎莎のフォアハンド対早田のバックハンドの展開になり、早田にとっては少し不利な展開となり点を取られ3-7となります。

■4-7

早田がはじめて孫頴莎のフォアサイドへロングサービスを出し、早い打点のバックハンドドライブで押し切ります。

■5-7

個人的にはここが凄く綺麗に決めた1点で好きです。孫穎莎が早田のフォアサイドに打ち込んできた繋ぎのボールをストレートに打ちぬきます。

■6-7

早田が1点取れば同点の所でバック対バックの打ち合いになり、孫穎莎が打ち勝ちます。

■8-10

早田がこれまで出していなかった巻き込みの投げ上げサービスを出します。孫頴莎が空振りする程の曲がり方をしているため、相当な回転量だとわかります。投げ上げサービスのメリットは通常より高くトスする事で落下してくるボールの力を利用する事ができるため回転量を増やす事ができるのです。

■9-10

同じく巻き込みの投げ上げサービスを出しますが、ミドルだったため孫穎莎が早田のバックサイドにフォアハンドでドライブでしかけていきこのゲームは孫穎莎が取ります。

3ゲーム目

■0-0

1点目は分が悪い孫頴莎がフォアハンド、早田がバックハンドで対応する展開になりましたが、大きなラリーを早田が制します。

■3-3

孫穎莎がこれまで繋ぎのボールが多めでしたが、早田のバックサイドに3球目をノータッチで決めます。

■4-4

早田がサービスを巻き込みサービスから純横回転サービス(孫穎莎からみるとフォアサイドに逃げていく回転)に変更し、孫頴莎のフォアハンド対早田のバックハンドの展開となり、2点取られます。このゲームはここで流れが変わってしまった感じがします。

この後も孫頴莎がフォアハンドを使う展開が増えて早田はゲームを落とします。

※この後から早田は純横回転サービスは使いません。

4・5ゲーム目

5ゲーム目2-3から早田がミドルにきたボールを2本ともフォアハンドで孫頴莎のバックサイドに打ち抜くのにはしびれます。

そんなしびれる展開もあるのですが、サービスミスやレシーブミス、ラリーの展開でのちょっとした差で孫穎莎が決勝に駒を進めることになります。

最後に

個人的にはかなり僅差の試合だったと感じます。孫穎莎選手の方が少しバックハンドで安定してレシーブから攻められていた印象ですが、お互いフォアハンドを使った方が点を取るという流れがあり、早田選手は全く引けを取らない試合をしていたと思います。早田選手の今後に期待です!

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