タイトルにあるようにアルナはナイジェリアの路上で卓球をしていました。
日本ではあまり考えられない卓球との出会いです。
そもそもピン球は風の影響を受けやすく、屋外に適していない競技であるため、路上に卓球台を置くという選択肢が日本ではあまりありません。
実はドイツにいくと公園に卓球台がありますので、ドイツ人の方が屋外で卓球する事にイメージが湧くかもしれません。とはいえヨーロッパにはプロリーグが存在して屋内でも練習できる環境がきっちりとあります。
私はアルナの決して恵まれていなかった環境から世界トップレベルまで上がってきたというストーリーに魅了されました。
そんなアルナについてご紹介していきたいと思います。
プロフィール
■名前:クアドリ・アルナ(Quadri Aruna)
■生年月日:1988年8月9日(2021年12月時点で33歳)
■世界ランキング:14位(2021年50週目)
■出身国:ナイジェリア
■GEWO(ドイツの卓球用品メーカー)
1898年にsaddler(馬具屋)として創業して、1956年から卓球台の製造を開始。はじめは卓球台だけだったが、徐々に製品のラインアップを増やしてラバーやラケットなども製造。
■戦型:シェイクハンド攻撃型
使用用具
■ラケット:Aruna Hinoki Carbon OFF
■ラバー:Nexxus EL Pro 53 Hard
※使用用具についてはGEWOの公式サイトを確認しましたが、世界ランキングの更新がされていないところをみると変更している可能性があります。
アルナのバックグラウンド
ストリートで7歳の時に卓球をはじめて、9歳くらいの時に中学校の先生に恵まれて初めて室内で卓球をしたとのことで、徐々に頭角を現し町の大会で優勝し、卓球にのめり込んでいきます。
2010年からはポルトガルリーグでプレーしていて、家族はポルトガルのリスボンに暮らしているそうです。
通常は自費参加でワールドツアーに参加するそうですが、ナイジェリアの卓球協会が支援してくれており、その支援を無駄にする事はできないため簡単には負けられないと語っています。
身体能力の高さもさることながら、簡単には負けられないと心から思えるバックグラウンドも強さの秘訣かもしれません。
詳しくは卓球王国の下記サイトをご覧ください。
アフリカの巨星、アルナが語る「ぼくの卓球は路上から始まった」
グリーンのカラーラバーを使用
世界卓球ではグリーンのラバーを使用しているのが印象的でした。何故グリーンかというとナイジェリアの国旗の色からきているようです。グリーンが幸運をもたらしてくれたとインタビューで答えています。
ちなみに緑は農業を、白は平和を表しているそうです。
世界卓球2021年ヒューストンでベスト8
2021年世界卓球ではカールソンに勝利した後に、モーレゴードに敗戦する事となります。
カールソンとの一戦は豪打同士の戦いで「the 男子卓球」が見たいという方にはぜひ見ていただきたいです。
モーレゴードとは個人的に「カラーラバー対六角形ラケット」とみており、流行が詰まってます。
これはおまけですが、2019年のブルガリアOPで水谷とも激戦を繰り広げていました。ゲーム数3-3の8-9でのラリーは見ものです。
最後に
ストリートで卓球をはじめて、ナイジェリアという決して卓球をする環境に恵まれていない地で芽を出し、そこから海外で修業を積み世界ランク20位以内に入るというストーリーには惹き付けられるものがあります。
今後のアルナの活躍とアフリカから第2・第3のアルナが出てきてさらに卓球界が盛り上がることを期待したいと思います。
コメント
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[…] WTTカップファイナルズ シンガポール 男子1回戦 梁靖崑(リャン・ジンクン) vs クアドリ・アルナの試合を解説したいと思います。 […]